電子書籍のつくりかた

[20]スタイルシートは2つ用意しろ!

スタイルシートは、電子書籍の見た目(修飾)を、まとめて記述しておいて、本文の中身をわかりやすくするためのものです。書式設定集とでも思っていれば、まちがいないでしょう。
Webのスタイルシートは、なにかと複雑になりがちで、素人が見てもさっぱりわからないものですが、電子書籍はできることが少ない分、シンプルなスタイルシートになります。
どれくらいシンプルか、サンプルを見て……と、その前に。
スタイルシートに関して、重要なポイントを説明しておきましょう。
縦書きの電子書籍をつくる場合、「縦書きにする」という指定は、スタイルシートでおこないます。これから紹介するサンプルコードを、スタイルシートに貼り付ければ、すぐに縦書きの電子書籍となるわけですが。まるまる一冊、縦書きでOKかというと、なかなかそうはいかないものだったりもするのです。
最初から最後まで縦書きでも、できることはできるんですよ。ただ、「書籍」として見た場合、ちょっと不恰好になるんですよね。まぁ、実際につくってみないことには、実感できないことだと思いますが……。
なので、経験者のアドバイスとして聞いてください。スタイルシートは、「縦書き用」と「横書き用」の2つ用意しましょう。あった方が便利なんです、絶対。
詳しいことは、おいおい書いていきますが……電子書籍の貧弱な仕様ゆえの問題が出てくるんですよ。
もともとEPUBっていうのは、海外のペーパーバックのような「とにかく文字が並んでいれさえいればいい」という書籍を電子化するという発想なんです(おそらく)。なので、見た目(デザインやバランス)をどうにかしようという部分が弱いのです。
EPUB 3あるいはそれ以降のバージョンの機能が、フルに利用されるようになってくれば、状況も変わってくるかもですが……。

 

そんなわけで、スタイルシートは必ず2つ用意しましょう。あれば便利なことは保証しますし、使わなくてもまったく問題になりませんし。
そんなことを言ってるわたしですが、実はスタイルシート、2つじゃなくて3つ使っています。
縦書き用と横書き用と、目次用の3つです。
考えがあって3つ用意したのではなくて、sigilが勝手に目次用のスタイルシートを作っていたんです。最初は削除しちゃってもいいかな、とも思ったのですが、そのまま使い続けてみたら、そこそこ便利だったので、そのまま3種類を使うことにしています。
このように、トコトンこだわるなら、「表紙用」「扉用」「コラム用」「あとがき用」など用途別にスタイルシートを用意するのはアリです。数が増えれば増えるだけ、管理が面倒になりますけど。

2013/07/11   admin
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