電子書籍のつくりかた

「簡単」「手軽」と言われているけど、実はちょっとムズカシイ電子書籍のつくりかたをお教えいたします。企業秘密ともいえるノウハウを大公開!

 

はじめに

 

「今年は電子書籍元年」と言われ続けてはや数年になりますが、いよいよ本格的に電子書籍の普及期に入った感があります。

それと同時に注目されているのが、電子書籍による個人出版です。いままでの紙の本を出すには、それなりのお金がかかりました。ですが、電子出版になると、費用が格段に安くなります。

ハードルが下がったのは確かなのですが、実際に個人で電子書籍を出版しようとすると、あれこれ面倒な問題がでてくるものです。多少とはいえ、専門的な知識も必要になってきますし。

とはいえ問題は、「実際のところ、どうなのよ?」ということだと思います。

そのあたりについて、すでに電子出版で本を発売し、さらには「電子書籍をつくる」という事業をはじめた私が、電子書籍に関するあれやこれやを、赤裸々に書いていこうというのが、このブログです。

「企業秘密を簡単にバラしていいのか?」という気持ちもありますが、これを見て仲間が増えればそれでうれしいですし、逆にこれを読んで、「やっぱり自分には手が出せないから、プロにまかせよう」と思っていただければ、商業的にはありがたい話ですし(笑)

そんなわけで。

実用的な記事もあれば、限りなくエッセイに近い記事もあるような、ふんわりとしたブログになると思いますが、よろしければお付き合いくださいませ。

 

2013/06/14   admin

[1]そもそも電子書籍って?

「電子書籍のつくりかた」を説明するにあたり、まずはじめに確認しておかなきゃいけないのは、「電子書籍とはなんぞや?」という点です。

単純に考えると電子書籍とは、いままでの「紙とインク」による書籍ではなくて、電子的手法による書籍のこと、になります。ということは、テレビショッピングでお馴染みの電子辞書も「電子書籍」ということになってしまいます。

そこまで話を広げるとややこしくなるので、小説とか実用書とかマンガとか、そういった類のものを、スマートフォンやタブレットなどで読むというのを対象とさせていただきます。

で、いま主に流通している電子書籍には、次の3タイプがあります。

●ファイル型(PDFなど)

●アプリ型(AppStore、Google Playなど)

●ストア型(Kindle、iBooksなど)

ファイルというのは、1冊の本=1つのファイルになっているもので、購入後ダウンロードして読む形になります。利用されるのは、主にPDFです。著作権の切れた作品をボランティアが入力して公開している「青空文庫」も、このタイプ。専用のビュアー(ブラウザ)が数多く出回っているので、ストア型に近い利用をされていますけど。

一番多く利用されているのが、ふたつ目の「アプリ型」でしょう。1冊の本=1つのアプリとなっているものです。確かに、1冊の本=1つのアプリというわかりやすさは魅力なのですが、「つくる」という視点からみると、これがなかなか大変なのです。

電子書籍のアプリというのは、いわば「文字を表示してるだけ」ですから、アプリの難易度としては低めです。しかし、アプリをつくる=プログラミングするというのは、慣れた人でないと難しいでしょう。

すでにあるビュアーを利用するという方法もありますが、これは利用するのにン十万円かかったりします。「アプリ型電子書籍をつくるためのアプリ」なんてのもありますが、もちろんタダではありません。代表的なモリサワのMCBookは、年間5万円+5%のロイヤリティです。

最近では、「無料でアプリ型電子書籍」をつくってくれる業者もあるみたいですけれども。

アプリ型の魅力は、「見せ方(インターフェイスなど)」を自由にコントロールできるところにあります。「ある場面を開いたらBGMが流れる」なんて演出もできます。

とはいえ、敷居の高さから言えば、「誰でも手軽に」とは言えないのが現状。そこで最近注目されているのが、「ストア型電子書籍」なのです。

2013/06/19   admin

[2]ストア型が注目されているワケ

ストア型というのは、本屋さんにあたるアプリがあり、そのアプリを通じて電子書籍を購読するタイプです。AmazonのKindleやAppleのiBooksが、その代表例です。

実は、ストア型は20年ほど前から存在していました。しかし、書籍のフォーマットやらロイヤリティやら対応端末やらの問題で、いまいち普及していなかったのです。

ここにきて一気に注目を集めたのは、「EPUB」というフォイルフォーマットの存在があります。

EPUBというのは、Webサイト(ホームページ)などでお馴染みのHTML(正確には、XHTML)をベースにした、ファイルフォーマットです。既存のものと違い、誰でも自由に使えるフォーマットとして誕生しました。そして、KindleとiBooksが、EPUBを採用したことにより、一気に普及しはじめています。

そしてもうひとつ。ストア型+EPUBという強力なタッグの登場により、にわかに注目されはじめたのが、「セルフパブリッシング」です。 

セルフパブリッシングとは、その名の通り個人が書籍を出版することです。紙の本を個人が出すには、まず資金面の問題をクリアする必要があります。資金がなんとかなり、本を制作できたとしても、流通というさらに大きな壁が存在するので、個人が本を出して売るというのは、ほぼ不可能でした。

しかし、電子書籍なら、資金の問題も流通の問題もクリアできてしまいます。

たとえば、AmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)なら、EPUBファイルをつくることさえできれば、Amazonで自分の電子書籍を販売することができます。EPUBファイルなので、お金をそれほどかけずに(がんばれば0円で)制作できますし、販売する場所がAmazonなのですから、流通面でも文句のつけようがありません。

そう。電子書籍なら、個人でも大手出版社と同じKindleというステージに立つことができるのです。

 

2013/06/21   admin

[3]電子書籍がベストなの?

では実際に、EPUBファイルのつくりかたを……といきたいところですが、その前に。「電子書籍がベストな選択なのか?」という話をしておきたいと思います。
「電子書籍をつくりたい」というからには、なにかしらの目的があるのでしょう。単純に「書いたものを読んでもらいたい」かもしれませんし、「金儲けがしたい」とかもしれません。目的はなんでもいいのですが、「その目的の手段として、電子書籍はベストな選択なのか?」について、考えることは大切なことだと思います。

現代において、「書いたものを読んでもらう」手段は、書籍だけではありません。ブログはもちろんのこと、SNSもありますし、まだまだメールマガジンだって、捨てたものではありません。一時期より下火になったとはいえ、ケータイ小説もまだまだ健在です(将来性については、厳しいと言わざるを得ませんけど)。
「読まれやすさ」でいえば、ブログが断トツかもしれません。ついでSNSでしょうか。収入という側面からみると、ブログやメールマガジンは、簡単に有料化できますし、アフィリエイトによる広告収入も期待できます。
それに比べて電子書籍は、現時点ではそれほど利用者が多いとは言えません。ブログやメールマガジンは、インターネットに接続できればほぼ利用できます。インターネットを利用できて当然ですから、「すべての人が、読者になりうる可能性を秘めている」と言ってもいいかもしれません。しかし電子書籍は、そこまでの域に達していません。
たとえば、AmazonのKDPを使って電子書籍を売るにしても、すべての人がAmazonの会員ではありませんし、すべてのAmazon会員がKindleユーザーというわけでもありません(専用端末のKindleにしろ、アプリ版のKindleにしろ)。
最大手のAmazonですらその状況ですから、同業他社の環境は推して知るべし、です。
そう考えると、「電子書籍がベストな選択肢」という人は、意外と多くないんじゃないでしょうか。

それでも、電子書籍のメリットはあります。
購入したりダウンロードしたりするときは、インターネットに接続していなければいけませんが、読むだけならばインターネット環境を必要としないのは、ひとつのメリットです。
それから、電子書籍というのは、読むことに特化したインターフェースであることも重要です。ブログやメールマガジンは、どうしても、「本文以外のモノ」が存在します。それが広告収入を生み出すわけですから、良いとも悪いとも言い切れませんが、読書環境という側面から見れば、電子書籍ほど読書に没頭できるものはありません。
もうひとつ、電子書籍はある程度の量を持つのが大半なので、じっくり読むことができるのもメリットでしょう。ブログやメールマガジンは、どうしても細切れになりがちです。それに比べて、最初から最後までしっかり読める電子書籍というスタイルは、文章を読むには好ましいものとも言えるでしょう。

結局のところ、どれを選択するのかは、あなたの自由です。ですが、電子書籍が万能ではないことは、ちゃんと理解しておきましょう。

 

2013/06/22   admin

[4]EPUBファイルをつくるには?

たとえば、Word形式ファイルをつくるには、MicrosoftのWordというソフトが必要です。実際には、ほかのソフトでもWord形式ファイルで保存したりもできるわけですが、実際には、Word形式ファイルをつくるときには、Microsoft Wordを使っている人が大半でしょう。
では、EPUBファイルの場合はというと……Word形式ファイルとは違い、「これだ」という方法がありません。
そこがわかりにくいところでもありますが、逆に言うと、「自分に合った方法を選べる」ということでもあります。
まずは、EPUBファイルをつくるのに、どんな方法があるのか紹介していきましょう。

 

◆EPUB出力対応アプリ……ex.)Adobe InDesign 一太郎 玄 など
◆EPUB作成サイト……ex.)BCCKS パブー forkN など
◆コンバータ……ex.)でんでんコンバータ epubpack など
◆EPUB作成専用アプリ……ex.)FUSEe sigil など

 

それぞれにメリット・デメリットがあります。あなたがどんなスキルを持っているか、どんな電子書籍をつくって、どう売りたいか、によってもベストな選択肢は変わってきます。
それぞれの方法については、次の記事以降で説明するとして……もしわたしが「一番おすすめはなにか?」と聞かれたら、「EPUB作成専用アプリのsigil」と答えます。
EPUB専用アプリであるということの安心感もありますが、余計なことはせずに、自力でEPUBファイルをつくれるという点が魅力です。
電子書籍の場合、インターフェイス(見た目や操作方法)などは、電子書籍を読むためのアプリ(ビュアー)におまかせです。それが、文字の大きさやフォントをカスタマイズできるという電子書籍の大きなメリットにもつながるわけですが、逆に言うと、コンテンツ制作者側は、そこにタッチできないということでもあります。
ですが、すべてではないにしろ、見た目の部分で制作者側が操作できる部分もあります。そして、それを確実にできるのが、EPUB作成専用アプリなのです。
とはいえ、EPUB作成専用アプリの場合、EPUBそのものはもちろん、HTMLやCSSといった知識もあった方が便利です。それゆえ敷居は若干高めではあるのですが、個人的にはEPUB作成専用アプリをおすすめしておきます。

 

2013/06/26   admin

[5]EPUB出力対応アプリ

本来は、EPUB作成用のアプリではないのですが、EPUBファイルへの出力機能を用意しているアプリがあります。

Adobe InDesignは、印刷用の紙面をレイアウトするためのアプリです。業界ではスタンダードなアプリですが、このInDesignにEPUB出力機能が用意されています。商業出版では、紙の書籍を電子書籍にするのは、もはや当然のような流れになってきました。そういう「プロ」の人には、ありがたい機能でしょう。
プロ向けではないアプリにも、EPUBファイルへの出力機能が用意されているものもあります。そのひとつが、ジャストシステムの「一太郎 玄」です。一太郎は、ワープロソフトのひとつですが、EPUB形式ファイルへの保存に対応しています。InDesignは違い、普及価格で手を出しやすいのも魅力かもしれません。

 

EPUB出力対応アプリは、「普段からそのアプリを使っている(または、EPUB出力以外の機能も使いたい)」という場合にはいいのですが、EPUBファイルをつくるためだけに買うとなると、あまりおすすめできないかもしれません。
というのも、こうしたアプリにとって、EPUB出力機能は「オマケ」です。イメージしたものとは違うEPUBファイルが出てくる可能性は、高いと言っていいのではないでしょうか。
こうしたアプリを使いこなすには、あらかじめ「こういうEPUBファイルとして出力したい」とイメージしておくことが必要になってきます。これはなかなか難しいことです。

 

もし、EPUB出力対応アプリをいま持っているなら、お試しに使ってみてもいいでしょうが、わざわざ電子書籍を制作するためだけに、こうしたアプリを購入するのは、あまり得策ではないんじゃないかと思います。

 

2013/06/27   admin

[6]EPUB作成サイト

なんとなく「ファイルをつくるならアプリ」と思い込んでしまいがちですが、EPUB制作でいま一番熱い戦いを繰り広げているのが、EPUB作成サイトです。
EPUB作成サイトには、以下のようなものがあります。

・BCCKS http://bccks.jp/
・パブー http://p.booklog.jp/
・forkN http://forkn.jp/

といっても、実際には「EPUBを作成するためだけのサイト」というわけではありません。本来は「電子書籍制作機能のある書籍販売サイト」なのです。
書籍販売サイトといっても、本屋さんに並んでいるような書籍を取り扱っているサイトではありません。個人が書いた本を並べているネット上限定の書店です。
こうした書店サイトには、もれなく電子書籍をつくめための機能が用意されています。
どれもネットのサイトですから、InternetExplorerなどブラウザ上で操作します。「本を作る」などのメニューをクリックすると、ワープロのような見た目になるので、そこに文章を入力していきます。
EPUBファイルにするには、できあがった本を出力してダウンロードする、という形になります。
電子書籍を読む・作る・売るが、ひとつのサイトで完結してまうという便利さが、こうしたサイトの魅力です。
実は、こうしたサイトはそれなりの歴史があって、あなどれない数の会員数を抱えています。KDPは、たしかにAmazonで販売できるという魅力はありますが、実際に売れるかどうかは別問題。むしろ埋もれる確率の方が高いでしょう。それなら、こうしたサイトで電子書籍を作って売る、というのも有力な選択肢となるのではないでしょうか。
こうしたサイトのサービスは、基本的には無料です。が、一部の機能は有料になることがあります。有料だからダメ、というわけではなくて、有料サービスに申し込むと、自社のサイトだけでなく、AmazonのKindleや楽天のkoboで販売できたりもするので、トータルでいうと、そんなにコストパフォーマンスが悪いわけでもありません。
結局のところ、「なにがしたいのか」をハッキリさせることが、まず大事だということです。その上で、各サイトの機能なりサービスなりを確認しておきましょう。
こうしたサイトを使ったほうが、自力でEPUBファイルをつくるより、いい結果が得られるかもしれません。

2013/06/28   admin

[7]でんでんコンバータ

[6]が「EPUB出力機能もある書店サイト」だったのに対し、この「でんでんコンバータ」は、純粋なEPUB作成だけのサイトです。

・でんでん コンバーター http://conv.denshochan.com/

使い方は、
(1) ベースとなるテキストファイルなどを指定
(2) タイトルなど書籍に関する情報を入力
(3) 変換スタート
という手順になります。
単純なEPUBファイルをつくるだけなら、これ以上のものはないというシンプルさです。
生成されるEPUBファイルも、余計なものはない、キレイなEPUBファイルになります。
ただし、少しでも凝ったことをしようとすると、なかなか面倒なことになります。
たとえば、目次を入れる場合、テキストの中に「見出し」を指定しておかなければなりません。この指定方法が、「でんでんマークダウン」です。見出しなら、「# 見出し #」と#で挟むことになります。
完全オリジナルな表記法というわけではありませんが、慣れてない人には「なんだこりゃ」と思ってしまうかもしれません。
この「でんでんマークダウン」記法や、オプション設定ファイルのつくり方さえ理解できるのならば、かなり精度の高いEPUBファイルがつくれるはずです。
実は、作業のシンプルさよりも、この「精度の高いEPUBファイルがつくれる」というのが、でんでんコンバーターの最大の魅力です。
というのも、[5]EPUB出力対応アプリで紹介したアプリにしろ、[6]EPUB作成サイトで紹介したサイトにしろ、あれこれ機能を使っているうちに、複雑な中身(コード)になりがちです。そうこうするうちに、エラーの多いEPUBになってしまいます。「ひとつでもエラーがあったら読めない」というほど、電子書籍は厳密なものではありませんが、トラブルの原因を抱え込んでいることには、違いありません。致命的なトラブルが発生したときでも、複雑な中身(コード)では、修正できずに最初からやり直したほうが早い……なんてことにもなりかねません。
そこへいくと、でんでんコンバーターで作成されるEPUBファイルは、シンプルで精度の高いものになるので、そうしたトラブルが回避できる、というわけです。

 

2013/06/29   admin

[8]EPUB作成専用アプリ

その名の通り、EPUBファイルをつくるために作られたのが、EPUB作成専用アプリです。EPUBファイルをつくるのに、一番シンプルでわかりやすい方法といえるでしょう。
EPUB作成専用アプリには、以下のようなものがあります。

・FUSEe http://fusee.jp/
・sigil http://code.google.com/p/sigil/

「FUSEe」は、国産のEPUB作成アプリです。国産ということは、きちんとしたヘルプやサポートが期待できる、ということです。この安心感は相当なものです。
電子書籍の普及が遅れている背景には、縦書きなど日本語独特の表記法への対応があります。「EPUB 3」という新しい規格で、縦書きなどができるようになり、電子書籍が普及し始めたのです。
国産のEPUB作成アプリということは、そうした日本語に完全対応しているということでもあります。これは、大きなアドバンテージです。
「いままで紹介されたアプリやサイトは、イマイチよくわからない」という人には、FUSEeがおすすめです。

もうひとつのsigilは、フリーのEPUB作成アプリです。フリーということは、無料で使えるわけですが……このsigil、海外産なのです。そのため、ダウンロードページもメニューも英語です。メニューは日本語になりますが、ヘルプはそのまま。つまり、使い方がわからなくなったら、自分でどうにかしなきゃいけないのです。
といっても、インターネットにsigilの使い方を解説したサイトがたくさんありますし、そもそもそんなに難しいアプリでもないので、なんとかなります。
ただし、sigilがつくるのは「EPUB 2」という規格のEPUBファイルです。上にも書きましたが、縦書きなど日本語独自の表記に対応したのは、その次に発表された「EPUB 3」からです。
そうすると、sigilでは日本語の電子書籍はつくれない……と思ってしまった人もいるかもしれませんが、sigilでもちゃんと日本語の電子書籍はつくれます。裏技……というほどのものではないですが、ある意味「抜け道」的な手段とはいえるかもしれません。

0から電子書籍をつくろうと考える人にとって、まず検討するのがこうした「EPUB作成アプリ」でしょう。しかし、今後選択肢が増える可能性は低いんじゃないでしょうか。そういう意味で、FUSEeとsigilは、貴重な存在です。

2013/06/30   admin

[9]結局どれがいいの?

[9]結局どれがいいの?

ここまで4つの「EPUBファイルのつくりかた」を紹介してきましたが、みなさんが知りたいのは「結局、どれがいいの?」ということでしょう。とはいえ、それが一番難しい質問だったりするのです(電子書籍に限った話ではありませんが)。

 

すでにInDesignを使っていて、印刷物を電子書籍化したいというのなら、InDesignでしょう。期待通りのEPUBにはならないかもしれませんが、クセをつかんでしまえば、最初から「電子書籍にしやすい印刷物」をつくることが可能です。ただし、「電子書籍のためにInDesignを買う」という選択肢はありません。プロ用のDTPアプリなので、導入コストが高すぎます。
ちょうどワープロソフトを探していた、とか、ATOKが欲しかったんだよな、という人には一太郎 玄も有力な候補でしょう。が、そういうタイミングの合う人でないと、一太郎 玄を選択しずらいのも事実。汎用性はあるので、高い買い物にはならないでしょうが、電子書籍のためだけ……というのであれば、おすすめしにくい選択肢ではあります。

 

手っ取り早く電子書籍をつくりたい、売りたいという人には、EPUB作成サイトが最適です。なんせ書店サイトも兼ねていますし。こまめなアップデートができるので、常に制作環境が改善されていくというのも魅力。
ただし、できあがるEPUBファイルの精度には、疑問が残ります。「サイトでつくったEPUBファイルをチェックしてみたら、エラーがたくさん出てきた」という例もあります。それと、すべてのサービスが無料ではないことにも注意が必要です。とりあえず登録してつくりはじめたものの、やりたいことは有料だった、というケースも考えられます。もちろん、有料でもあなたが納得できるものならばいいのですが。

 

本格的に電子書籍について勉強したいという人には、でんでんコンバーターはうってつけ。また、HTMLやCSSの知識はあるし、制作環境もあるなら、コンバーターでベースのEPUBをつくってしまって、EPUBを自力でつくった方がわかりやすいかもしれません。逆に言うと、そういう人でもない限り、コンバーターで電子書籍をつくるという選択肢はおすすめしません。

 

EPUB作成専用アプリは、なによりも「専用」という強みがあります。「EPUBファイルをつくったけど、うまく表示できなかった」なんてトラブルは少なくなります。
「いろいろ説明されたけど、よくわからない」という人には、FUSEeは絶対的なおすすめです。ただし、シュミの範疇の場合、35000円という価格を出せるかどうかは難しいところでしょう。汎用性には期待できないので、「やーめた」となれば、痛い出費となります。電子書籍をつくることだけが目的ならばいいのですが、儲けることを考えている人にとっては、これはなかなか大きいコストです。正直、FUSEeの価格以上に儲けることは、至難の技なのです。
そこへいくとsigilは無料ですが、英語版という壁があります。その壁を超えたとしても、「sigilでできるのはEPUB2」という、もうひとつの壁があります。壁といっても、それほどの難題ではないのですが、ここがネックになるという人もいるでしょう。

 

どの方法には、メリット・デメリットがあり、「これを使えば問題なし」という方法は存在しません。それぞれの方法の特徴をよく理解して、自分にはどれがいいのかを選択するしかありません。

 

2013/06/30   admin
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